ブログなるものを始める。BLが好きではない人に向けたやたもも感想。
こんにちおはよばんわ。漫画を解釈したいとかエモいこと言ってブログを始めました。麹橡です。そういう名前のブログ主です。
漫画を読みおわると嬉しくなって感想サイトを漁るのですが、その度に妖怪コレジャナイが出現するので自分でつくりました。あくまでこの感想は私の主観で成り立ってます。そして人間は間違ったりします。変なこと言ったらごめんなさいね。
さて、今回は『やたもも』です。時期とかが旬では全くありませんが解説していきましょう。理由は私がやりたいからです。
- 作者: はらだ
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2014/08/16
- メディア: コミック
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このブログ、初手からどの層を狙ってるかよくわからないよね私もそう思う
ぶっちゃけ「彼女の部屋にこの漫画あったけど俺、BLとか嫌いだわブラウザバック」とか思う人にこそ、このブログを呼んでほしいです。ネタバレとか置いといて、あなたのBLに対しての気持ちが変わります多分。好き嫌いがあるのすごくわかるし、なんなら漫画は見なくていいからブログだけでも見て考えを変えてほしいな。あわよくば漫画に手を出してほしいな。私としてはそう思ってます。
前置きが長くなってしまいましたね。さて、始めていきましょう。
今回の目次だよ!!
まず先程のアマゾンさんからあらすじを貼ります。先に言っておきますが、この漫画は純愛漫画です。 生活能力ゼロ、究極ビッチでクズでろくでなしのモモ。 オカン系男子で面倒見のいい純朴青年、八田(やた)ちゃん。 公衆トイレでの〝事後処理〝中に遭遇、という最低最悪の出会いから、八田ちゃんの人の良さにつけこんで、家に転がり込むことになったモモ。 彼と過ごすうちに、ろくでなしなモモに少しずつ変化が…。 そんな矢先、モモの過去のパトロンが表れて―――。 純愛とはなんだったのか… はじめてのBLでもわかる変化球系純愛漫画ですね。表紙ではあんなに純愛だったのに…。この文章だけ読むと、八田ちゃんがいい人でモモが更生しかけた?ところくらいしか純愛要素無いですよね。未だかつて純愛漫画のあらすじにパトロンなんて言葉が載ったことがあったのだろうか、いやない。 はいそして普段BLを読まない貴方は気になってるワードがあるでしょう。ズバリ、”事後処理” です。 やった後に掻き出すことです、以上。 BL漫画あるあるですが、苦手な人は苦手な性描写ですね。エロをファンタジーで楽しむには才能がいるアレです。ちなみにこの漫画は性描写が多いです。回数で言うなら2桁いくのではないですかね、知らんけど。エロ漫画だと思って読んでたらいつの間にか泣いてた系の純愛漫画です。
その他の細かい登場人物もいますが、大体は面倒見のいい八田ちゃんによってクズで誰とでも寝るモモが更生したり更生しなかったりして元パトロンの須田がちょっかいかけてくる漫画です。ほぼあらすじと同じですねこれ。 この漫画を書いている作者についてです。面倒くさいから引用ドーン。 ドーンしたかったのですがウィキすらないですね…。ていうか個展あったんですね。イキタカッタ…つら 色々なサイトをまとめると、「BL界の鬼才」と呼ばれ、画力、ストーリー構成力、臨場感のあるエロシーン、独特のコマ割りなどで才能溢れる人だそうです。そして細かいプロフィールは不明です。 つまりクズとか人間のエゴとかを描かせたらはらだ先生の右に出る人はいない、期待の新人なのよ。ダウナーな作品をよく描く。そして『やたもも』ははらだ先生の人気作です。はらだ先生の中では明るくて読みやすい作品です。 特にストーリー構成力が優れているのが特徴的で、ぶっちゃけBLはエロ漫画的な部分があって、ヤマもオチもなくてもフェチに刺されば売れる商品なんですね。その中で突き抜けたストーリー構成力を誇るはらだ先生はまさに鬼才なわけです。 具体的にはエロシーンしかない漫画描いてその中に陳述のトリック使ったりする 変態(褒め言葉)です。漫画の最初によくついてるキャラの紹介とかもエロシーンで表現します。映画ルパンの冒頭カーチェイスみたいなスタイリッシュなことやるのよ。「いっけなーい、遅刻遅刻。私、○年○組の主人公の名前。」みたいなある意味でダサい入り方はしません。 突っ込むほうです。 彼は面倒見がいいと何回も書きましたが、彼は真性の善人です。別に世界を救ったりする系のヒーローみたいな善人ではありませんが、「落とし物を交番に届けず、落とし主までわざわざ電車に乗って届けに行く」みたいなそこら辺にいそうな善人キャラなのです。 そんな善人の彼だからこそ、いきあたりばったりで拾った顔がかわいいヒモ(モモ)にすらまともな恋人としての関係を築きたいと思うのです。ここまでは素晴らしい面を書き出しましたが彼も人間です。 嫉妬心と独占欲が強く、セックスがしつこいです。 プレイ内容ではなく回数がしつこいタイプの体力馬鹿で、過去では主にそれが原因で振られたりしてます。人間は誰しも聖人君子ではないといいますが、善人の八田ちゃんにも欠点があるんですね。 噛みグセのある善人とかウケるわマジで。 こういう変な人間臭さが滲む描写も、この作品の醍醐味なんですよね。時折挟まれたセンスが輝くギャグと、全編に渡る「根が善人の八田ちゃんがモモに振り回されまくるところ」とか凄くコメディじゃないですか。そうこの作品はラブコメでもあるのてす。 彼はなんだかんだ葛藤したりもしますが、結局善人でお人好しな部分が勝ってしまいます。 そういう業が深いところが八田ちゃんのある種の滑稽さとか、人間味とかであり、モモを思う真っ直ぐな気持ちの原動力でもあるのです。言い換えると、他人から見たら滑稽に見えるほど全力で相手を好いている。そういう男なんですよ八田ちゃんは。どのシーンを見ても、モモへの好意が滲んでますよね。それはデレでもありますし、純粋な隣人愛でもあります。そういう愛の深い男なんです。マジ漢ですよね。 突っ込まれるほうです。 クズだクズだと書きましたが、酒にタバコにギャンブルを嗜んでる時点でクズでしかないですね。仕事もしてませんし。 そんなモモですが、八田ちゃんと付き合い出してから転機が訪れます。 ひとり暮らしを始めるためにアルバイトをはじめます。 24まで愛人業とヒモしかやったことない奴が昼職に出るって相当なことなんだよ。 モモはクズというか生活能力が無いキャラとして描写されてますが、生活能力が無いのは生活能力スキルに経験値を振るような生活をしてこなかった要因が大きいです。それは貧困だったり教育不足であったり、容姿と若さしか必要とされない愛人業を続けてきたせいなのかもしれません。 そんなモモにも喜怒哀楽がありますし、時々出てくる平仮名の多いセリフの、独特のあの言い回しとか、ふとしたコマの表情とかに現れてます。 モモは肝心なシーンで顔を見せてくれなかったりしますが、あの微妙な表情の違いはハマるとクセになりますよ。あと服が適当だったり全裸で寝てたりするのザ・貧困って感じがしていいです。作者の観察力というか表現力高すぎでしょ。 可愛い可愛いヒロインではなく、社会というものに殴られながら、それでも飄々と生きてる一人の人間なんですよねモモは。愛すべき性格ではないかもしれませんが、ある種の切実さとか必死さとかが垣間見えてギャップで死にそうになりますよ。 グッピーなら何回も死ねますね、やったね 結局、ひとり暮らしのストレスによってまたギャンブルに手を出したりしてましたけどね。娑婆はつらいけど生きてくしかないんですね。なんだか見ていて元気出ます。 こんなに語ってまだ語るのかよと思いますが、もう少し続きます。 純愛漫画なら恋愛を綺麗に描かないといけないっていう中で、泥臭くてコメディでエロ漫画なこの作品は浮いている存在です。 でも綺麗じゃないから感動できるんですよね モモは結局更生したかしてないかわからないし、八田ちゃんはなんだかんだでモモに振り回されます。この圧倒的なリアルさと人間味。 ゼクシィのキャッチコピーとか見てると思うのですが、この時代で恋愛をすることは大変なことなんだと思います。純粋な恋愛なんて白馬の王子様と同義語で、多分誰も憧れることはできても心から信じることができない存在だと思います。 この作品は、あまりにも泥臭く、そして今の時代の恋愛のリアルさが詰まってます。 試し読みはこちらでできます。代表コミックシーモア。 このブログでは触れていない須田についての項目です。元パトロンの表現からもわかりますが、「モモとまっとうな恋人関係を築こうとする」八田ちゃんとは逆の関係性として描写されます。一見BLで正統派の攻め(いわゆるスパダリ)としてよく出てくるこういうキャラ*を当て馬として表現するところが素晴らしいですね。 須田を振りきってモモが八田ちゃんと歩むことを選択することによって、「ヒモとして誰かに依存して飼われる生活をしていたモモが、八田ちゃんとお互いに自立したまっとうな恋人として生きていこうともがく姿」を表現しているんですよ。少年マンガですね。納得の感動。脳内がスタンディングオベレーション。 ちなみに、須田の欠点として描かれてるこの「他人と対等の関係を築こうとしない姿勢」なのですが、作中では「あいつもさ、どっか欠けてて不安定なやつなんだよ」とセリフの中で描写されてます。 「も」なのが憎いですよね。 人間誰しも歪んでいるものですし、はらだ先生は八田ちゃんもモモもどこか歪んだ存在として描写してます。 その誰しも持ってる凹と凸が一致する相手がいたのなら、それは幸せなのことではないか。このことを全編を通して読者に訴えてます。感動しかないですね。 このブログでは『やたもも』1巻までの内容にしか触れてませんが、このシリーズは3巻まで出てます。2巻3巻は新キャラも出ますし、さらなる引っ掻き回しの大旋風が起こります。めちゃくちゃ面白いし感動しますし読んだ余韻も凄いです。 是非是非お願いします。
『やたもも』概要
90年代の泣きエロゲを思い出しますね。
作者の傾向
少年マンガかよ(褒め言葉)
映画コナンみたいなね。この『やたもも』も1話はそんな感じで流れます。やた
あと、オナホに嫉妬するのとかどうかと思いますが、男の人ってそういう人多いですよね、という偏見。もも
いや普通じゃん?って思うよねわかる。そういえば、ねほりんはほりんパパ活回でそんな話してましたね。パパ活は金銭感覚狂うってやつ。たまに泣きそうになるけど。まとめ
追記1
追記2
- 作者: はらだ
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2017/04/27
- メディア: コミック
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ドラマCDもありますよ。是非是非。
リンクうまく貼れなかったんで各自アマゾンで検索してください。
「割れ鍋に綴じ蓋」と言いますが、割れてる鍋だから綴じてる蓋が合うのではなく、割れてる鍋と綴じてる蓋がぴったり合うから尊いんですよ。恋愛とはある種の日常であり、またある種の奇跡でもあるのです。
以上、ほうれん草のおひたしはわさび醤油で食べるのが好きな麹橡でした。